おそらさんと煮干し【後編】
第29話 『煮干しが好きすぎて…』
クローゼットを開けたまま会社に向かったおっさん。
おっさんが犯した2つの過ちは、
1つ目…クロゼットを開けっ放しにしたこと。
2つ目…そのクローゼットの中に煮干しを保管していたこと(しかも最下段)
その日会社から帰り、ドアを開けておそらさんに挨拶。
「おそらさん!ただい……」
電気を付けると異様な光景が目に飛び込んでくる。
そこには大量の嘔吐物が至る所に…(汚い話ですいません)
(…………)
想定外の出来事に2秒ほど思考停止。
何が起きたのか、状況の把握が出来ない。
…やっと冷静になって考えてみる。
おそらさんはめったに吐かない。なのにこんなに吐いたってことは…
とっさに病気の可能性が頭をよぎる。
「おそらさん、大丈夫か?」
おそらさんを捕まえて触ってみる。
良かった!
特に体調が悪いわけでもなさそう。いつものおそらさんだ。
では何故?
とりあえず部屋を片付けようと、改めて見てみると、嘔吐物の中に消化しきれていない煮干し達が…(今回本当に汚い表現ですいません)
開けっ放しのクローゼットの中を見ると、煮干しが入った袋が引き裂かれて、1/3に減った煮干し達が置いてある。
(なるほど! すべて読めた…)
クローゼットの中に宝物(煮干し)を発見したおそらさん。
「イヤッホー!」とテンションがあがり、欲求のまま袋をちぎって食べる。
『うまいにゃ~!』
しかし、一度に大量の煮干しを食べたために、
『胸やけ』
そしてゲロゲロ ←おっさん推理。
"多分間違いない!”
とにもかくにも、おそらさんの体に問題がなさそうなので良かった!
夜も遅かったので、この日は様子をみて次の日病院に連れて行くことに…
「完全におっさんのミスだったな…」
片付けながら思うおっさん。
クローゼットの中に危険なものはない、という先入観に囚われて、下手をすると電気のコードより命に係わるかもしれない『食べ物』の存在を見落としていた。
改めて1人暮らしで動物を飼うことの難しさと、食べ物の管理を疎かに出来ないこと、そして適切な量を与えなければならない事を痛感。
「ごめんな~おそらさん」
すべて片付けると、元気に遊ぶおそらさんの姿が。
無事でよかった! でもおそらさん…
ちょっと食べすぎだぜ( ;∀;)
PS:おそらさんの体に問題はありませんでした。
つづく