ゴールドよりも欲しいもの
第49話 「おそらさんとの約束」
本日は雪時々雨のあいにくの空模様。
自動車の運転免許の更新が近いこともあり、事前予約を済ませ、いざ免許の更新に出発。
30分程車を走らせ、免許センターへと到着。
入口に入ると、まず予約をしているか聞かれる。コロナの影響で3密を避けるために、日曜日の更新手続きはすべて予約制になっている(←おっさんの住んでいる地域のことのため、全国的にそうなのかは不明)
検温をして、受付で番号をもらい、その番号順に手続きを行う。
最後に免許証の写真を撮り終えたら、講習 →終了という流れ。
今回は前回に引き続き、5年間無事故・無違反だったので、ゴールド免許が支給される。
もちろんゴールド免許は嬉しいのだが、今はそれよりも欲しいものがある。
それは、
おそらさんとの生活が続いていくこと。
新しい仕事は、お客様の家の屋根に登ったり、脚立を使用する作業が多いので、気を抜くとケガや事故に繋がる。通勤時の車の運転もそうで、ボーっとしていたり、不注意で事故を起こした場合、帰りが遅くなるどころか、そのまま病院へ直行ということもありえる。
コロナやインフルエンザの流行も最早他人事ではない。
万が一コロナに感染したら、おそらさんと離れて暮らすことになる。またその場合、おそらさんを見てくれる人や、預かってくれる所も無いかもしれない。
おそらさんを1人には出来ない。
だから仕事に行く時、外出する時はおそらさんと約束をしてから出かける。
「おそらさん、必ず帰るから…」
おそらさんとおっさんの約束。
それは果たさなければならない決まり事。
今はゴールドもお金もそれほど求めない。
ただただ、おそらさんが健康で、自分も健康であり無事に帰ること。
そして今の生活を続けることが出来ればそれでいい。
最近同じような事を言っているが、今日新しい免許をもらって改めて思った。
免許センターを後にして自宅へと向かう途中、早く帰りたいという想いが強いためか、前の車が遅いとイライラしてしまう。
でも、そんな時おそらさんとの約束を思い出す。
早く家に帰ることではなくて、無事に帰ること。
少し落ち着いて、アクセルを緩める。
「無事に帰るからね!おそらさん!」
つづく