包帯を巻いたおそらさん
第22話 『やっぱり…』
おそらさんの避妊手術から一夜が明け、朝目覚めるとおそらさんが布団の上で丸くなっている。その姿を見てホッとするも、お腹に巻いた包帯は噛んだり引っ掻いたりしたのか、半分くらいずり落ちている。
隙間から縫った痕が見える。その姿を見て改めて、
「頑張ったね!おそらさん!」
と言って撫でると、
「にゃーーーん」と一声。
動物病院の先生からは、
「包帯は取れても構いません。抜糸は1週間後にするので、また来てください」
と言われていたので、包帯が半分くらいずり落ちても余り気にしていなかった…
…3日後
相変わらず噛んだり引っ張ったりするため、包帯はすでにボロボロでおそらさんが歩く度に引きずっている始末。
そろそろ包帯は取ったほうが良いのかなと考え、ボロボロになった包帯を外すことを試みる。
包帯を外そうとして、手術の痕が痛々しいお腹を見てみると…
『糸がない…(ガーーーーーーン!!)』
よく見れば、傷口がぱっくり開いている(;゚Д゚)
おそらさんは異物を嫌う。
以前首輪を付けたものの、激しく抵抗し、結局自分で外してしまった経緯がある。
(猫だったら普通?)
それを考えれば包帯や糸もおそらさんにとっては異物であり、邪魔な物だったかもしれない。
おそらさんの性格を考えれば、今回の件は『やっぱり…』という思いもあるが、ちゃんと見てなかった飼い主であるおっさんの不注意が原因である。
(ごめん!おそらさん)
傷口から感染しないように、すぐに病院に電話。
その日は日曜日だったけど、午前中は営業しているとの事なので、光のような速さ(大袈裟)で動物病院へ向かう…
つづく