おそらさん

愛猫(そら)とおっさんの2人暮らし奮闘記。2人合わせて『おそらさん』

愛すべき者たち

第52話 「地震の後に」

 

 

 

f:id:osorasan:20210214220549j:plain

地震前。ありふれた日常。

昨晩大きな地震があった。

仕事から帰ったおっさんは1階のリビングでウトウト。おそらさんは2階で寝ていた。

突然の携帯への地震を知らせる通知音。それとほぼ同時にゴゴゴという地鳴りと共に地震が起こった。

大震災とその後何度かの大きい地震を経験していることで、地震には多少免疫がついてたこともあり(←実際は初動が遅れるのでかなり良くない)当初はすぐに収まるだろうと思っていたが、そうではなかった。

時間にして30秒から1分程か?とてつもなく長く感じる。

収まるどころか、むしろ揺れが激してくなってきている。

天井に取り付けてある照明器具が落ちてくるのではと思えたほど。

(ヤバいな!おそらさんの所に行かないと!)

と思い、揺れが落ち着いてきたので、慌てて2階へと駆け上がる。

途中、棚上から落ちた物が廊下に転がっていたが、そんなことはどうでもいい。

おそらさんは大丈夫か?

これしか頭にない。

 

2階の寝室のドアを開けるとおそらさんを発見。

毛は逆立ち、尻尾も大きく膨らんでいる。

「おそらさん!」

と呼んでみても、声も出せずにいた。

余程怖かったんだろう…

「ごめんな、遅くなって」

おそらさんを抱きかかえて、地震も収まってきたので、1階に降りることに。

1階に着いてから、暫くの間おそらさんのお腹を撫でていた。

まだ声を発しない。

「怖かったね。ごめんな、おそらさん」

ふと周りを見ると、鏡が倒れ、台所の食器などが床に落ちていた。

 

震度6弱

 

大震災の時と同じ大きな地震だった。

 

ようやく落ち着いてきたおそらさん。

幸いな事に、電気や水などのライフラインに影響は出ていない。

しかしながら、あの時(大震災)も普通の日常だったのが、一変したのを思い出した。

床に落ちた物を片付けながら、おっさんは決意した。

(明日の休日は、自分の愛しいもののために時間を使おう)

翌日の2月14日。

 

朝起きて、まずはおそらさんのトイレと部屋の掃除。

いつもより時間をかけて丁寧に行う。

次は、通勤やプライベートで頑張ってくれている車の洗車。

こちらも時間をかけて、中も外も念入りに洗車と掃除。

最後に、今回の大きな地震から守ってくれた我が家を掃除+余震に備えて動いたり落ちたりするものを固定、もしくはすべり止めシートを敷き対策。

昨晩の大きな地震の後で、何度か余震が続いているので、残りの時間はおそらさんと一緒に過ごした。

「大丈夫おそらさん!今度は一緒にいるから!」

愛する者たちに費やす1日。ちょっと大袈裟かもしれないけど、こんな1日も悪くないなと思うおっさんであった。

最後に、今回の地震で被害に合われた方が、一刻も早く回復及び通常の生活に戻れることを祈っています。

 

f:id:osorasan:20210214220642j:plain

地震後、元気になったおそらさん。

 

                                   つづく