わがまま認定日
第54話 「わがまま認定日」
凍てつくような寒さもようやく影を潜め、暖かな日差しと共に春の息吹が感じられる今日この頃。
とは言っても、おっさんの住んでいる地域は、朝起きるとまだ氷点下の日もしばしば。
本格的な春の訪れは、もう少し先の事。
春は出会いの季節でもあり、別れの季節でもある。
そして動物や植物などの活動が活発になる、生命の季節でもある。
おっさんはそんな『春』という季節が1年で一番好きだ。
「いや、だから知らねーし!」
と総ツッコミを食らいそうだが、
道端に芽吹く花たちや、活動を開始した虫や動物。職場での新しい顔ぶれなど、すべてがバイタリティに満ちているように感じる。そのためか、ふとした瞬間にこちらも、何か幸せな気分になることがある。
そのため、春という季節が一番好きである。
前置きが長くなったが、今日は久しぶりの休日。
弥が上にもテンションが上がる!
「よし!掃除しよ!」←何でだよ!笑
休日の掃除。これはもうおっさんのルーティンとなっているので仕方ない。
そして休日に新たに追加したことがある。
それは、
おそらさんの『わがまま認定日』だ。
これには理由がある。
2月から3月にかけては、仕事量も増加したため、決まった固定休が取れないでいた。
加えて疲労により、帰宅してもすぐに寝る始末。
おそらさんは食べた物を余り吐かない。吐いても1週間に一度程度。しかしながら最近は2日に一度位のペースで吐くようになった。おっさんが休みの時は吐く事がないので、遊ぶ時間が少なかったり、一人にする時間が多くなりストレスが増えたからかもしれない。
そこで休日に追加したのが、『わがまま認定日』
大層な表現をしているが、要はおそらさんと一緒に居る時間を増やし、出来る限りおそらさんのやりたい事を推奨するだけの事。例えばおそらさんが扉の前で出たい素振りを見せたら、玄関以外はすぐにドアを開けてついていく。遊びたいようだったら、飽きるまで遊ぶ、ブラッシングや体を撫でるのも同じ。
ひとしきり遊んで、体をブラッシングすると、ゴロゴロと喉を鳴らすおそらさん。
おそらさんが喜んでいる様子を見ておっさんは思った。
以前、出来るだけ早く帰っておそらさんとの時間を増やそうと宣言しておきながら、全然出来ていなかった。
むしろ自分でおそらさんとの時間を減らしている始末。
この状況を改善するのは難しいけど、せめて休日だけはおそらさんとの時間を増やし、わがままに付き合おう。
「明日からまた仕事を頑張って休日はわがままに付き合うからね!おそらさん!」
「う~わん!」(また遊ぼうね)
つづく